【12月9日 AFP】イスラム教の大巡礼「ハッジ(Hajj)」は8日、サウジアラビアの聖地メッカ近郊のミナ(Mina)で、巡礼の最後を飾る「投石の儀式」が行われた。

 儀式では、悪魔を象徴する高さ25メートルの3本の塔に、それぞれ21個の小石を投げることが義務づけられている。信徒たちが将棋倒しとなる事故が多発していることから、最も危険な儀式でもある。万一に備え、現場付近には大規模な治安部隊が配備された。

 今年は、投石用の小石を拾い集める労力を省くために、あらかじめ小石をパックにしたものが配布された。

 この儀式の直前には、預言者アブラハム(Abraham)が我が子を神にささげようとした逸話にちなんだ犠牲祭「イード・アル・アドハ(Eid al-Adha)」の儀式が行われた。儀式では動物(通常は羊)がいけにえとしてささげられるが、信徒の大半は自ら動物を殺すことはなく、サウジアラビアの当局から「犠牲になった証明書」を買い求めた。当局は、これらのお金で肉を購入し、貧者への施しを行うことになっている。

 今年の巡礼ではこれまでのところ大きな事件・事故は報告されていない。メディアは、巡礼者の数を過去最高の250万人と推定している。(c)AFP/Hania Malawani