【12月3日 AFP】コレラ感染が拡大しているジンバブエで2日、コレラによる死者が計500人近くに上っている。また、軍兵士が略奪行為をはたらいたとの非難の声が上がっており、崩壊寸前の経済状況や大統領選挙をめぐる政情不安に加え、新たに情勢悪化への懸念が高まっている。

 給水停止から2日目を迎えた首都ハラレ(Harare)では、市内の主要病院の職員らが欠勤。ほかにも、ブラワヨ(Bulawayo)とムタレ(Mutare)の2都市で病院職員が仕事を休んでいるという。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は、迅速な治療が行われなければ、コレラ感染は今後も急速に拡大すると警告した。WHOによると、コレラによるこれまでの死者数は483人に上っている。

 国連(UN)のElisabeth Byrs広報官によると、感染被害が最も出ているのは首都ハラレのBudiriro地区で、約5829件の感染とみられる事例が報告されているという。

 給水停止でハラレの住民らは水の入手が困難になっており、マンホールを開け、水道管から水を得ようとする住民も出ている。その一方、闇市では、25リットルの水が25ドル(約2300円)で販売されているという。

 一方、ハラレで1日、不法な外為ディーラーの取締り中に、複数の店舗で軍兵士による略奪が起きた。軍の広報官はAFPに対し「何があったにしても軍の公式な行動ではない」と語った。

 野党、民主変革運動(Movement for Democratic ChangeMDC)のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長は1日夜、セネガルの首都ダカール(Dakar)で記者団に対し、「ジンバブエは崩壊しつつある」と語った。(c)AFP/Godfrey Marawanyika