【11月26日 AFP】国際海事局(International Maritime BureauIMB)は26日、今月18日にアデン湾(Gulf of Aden)でインド海軍の軍艦が撃沈した海賊の「母船」は、実はタイ船籍の漁船だったと発表した。一方、インド海軍は同日、同船は敵対的だったと主張した。

 IMBのNoel Choong氏によると、問題の船舶は11月18日にイエメン沖で海賊に乗っ取られた漁船だったという。

 AFPの取材に対しインド海軍報道官は「(撃沈した)船は複数の海賊情報で警戒されていた船と似ていた」と述べた。

 また「われわれは、船舶に対し臨検のため停船するよう何度も呼びかけたが、乗員はこちらの船を粉砕すると言って威嚇してきた。船の甲板にはグレネード・ランチャーを持った海賊たちがいた」と述べ、攻撃を受けるまで海軍側は発砲しなかったと強調した。問題の船舶には爆発物も確認されたという。

 また、別の海軍関係者も「攻撃を受け沈んでいく船の映像を見ると、非常に大きい火柱が立っていることが分かる。つまり、船には大量の武器が積まれていたということにほかならない。ただのトロール漁船があんなに激しく爆発するわけがない」と述べ、IMBの主張を一蹴(いっしゅう)した。

 インド海軍がソマリアの海賊船を撃沈したというニュースは、国際社会から高い評価を得ていた。

 インド国防省関係者は「重要なのは船が何であったとしても、それがわれわれを攻撃しようとし、われわれの行為は正当防衛だったという点だ。あの船舶は公海上の海賊船でその行為は挑戦的だった」と語った。(c)AFP