【11月21日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)で21日、イスラム教シーア(Shiite)派反米指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師の支持者による2011年までの米軍のイラク駐留延長を可能にする米軍地位協定(Status of Forces AgreementSOFA)に抗議する集会が行われた。

 数千人のサドル派の人びとが、2003年3月に進攻した米軍によって当時のサダム・フセイン(Saddam Hussein)大統領の銅像が引き倒された場所として有名な市内のフィルドゥス広場(Firdoos Square)を埋めつくした。

 現在広場には抽象彫刻が設置されているが、集まった人々はこの彫刻にジョージ・W.ブッシュ(George W. Bush )米大統領をかたどった人形をつるすなどして抗議の意を表した。ブッシュ大統領の人形に付けられた「治安協定は恥、屈辱」と書かれたサインは、プラスチックの瓶でたたかれた後に、米国や英国の国旗とともに火が付けられた。

 イラク議会が16日に承認した米軍地位協定案は、今年末に国連決議による駐留期限が切れる米軍15万部隊のイラク駐留延長の根拠となるもので、1年半におよぶ交渉の末、ようやく承認に至った。
 
 外国部隊が2009年6月末までにイラク都市部から、2011年末までにイラク全土から完全撤退することを盛り込んだ協定案は、来週にも正式承認に向け連邦議会で採決される見込み。(c)AFP/Sammy Ketz