【11月19日 AFP】(一部更新)1991年の湾岸戦争に参加した米帰還兵の多数が苦しんでいるとされてきた「湾岸戦争症候群」について、米議会が調査を委任した諮問委員会(Research Advisory Committee on Gulf War Veterans' Illnesses)は17日、同症候群が「実際に存在」しており、帰還兵70万人の4分の1以上がこの症状に苦しんでいるとの報告書をまとめた。

 ジェームズ・ピーク(James Peake)退役軍人長官に提出されたこの報告書は、衰弱性の複数の症状をともなう「湾岸戦争症候群」に関するこれまでで最も詳細な報告書で、450ページにおよんだ。

 報告書は、「湾岸戦争症候群」の主因が、サシチョウバエなどの害虫駆除に使用された殺虫剤や、神経ガスに備えて投与された予防薬などといった有毒な化学物質であると結論づけ、「現在入手可能な多数の科学調査の結果などが、湾岸戦争症候群が実際に存在することを一貫して示している。症状は、湾岸戦争参加時に神経毒にさらされた結果であり、症状が大幅に改善されたか、あるいは完治した帰還兵はほどんどいない」とした。

 また報告書は、「1990-91年の湾岸戦争の帰還兵は、短期間で完了し驚異的な成功を収めた軍事作戦に参加したという名声を得た。だが一方で、原因不明の体調不良に悩まされ、これまで非常に長い間にわたって(症状を)否定されるか、わい小化されてきた」としている。(c)AFP