【11月11日 AFP】旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(International Criminal Tribunal for the former YugoslaviaICTY)に起訴されているラトコ・ムラディッチ(Ratko Mladic)被告(66)の行方を追うセルビア治安部隊は10日、同国南西部バリェボ(Valjevo)にある大手企業Vujic Valjevoの工場を捜索した。内務省関係者が明らかにした。

 Vujic Valjevoは窓ガラスやペットボトル入り飲料水を生産している。工場のほか同社が管理する住宅の家宅捜索も行われた。

 1992-95年のボスニア・ヘルツェゴビナ内戦時、セルビア人勢力の軍最高司令官だったムラディッチ被告は、1万人以上が犠牲となったサラエボ(Sarajevo)包囲や、第2次大戦以来、欧州最悪の残虐行為とされる、1995年にスレブレニツァ(Srebrenica)でイスラム教徒の成人男性や少年約8000人が虐殺された事件などに関与したとして、ジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪で起訴されている。

 セルビアの秘密警察を率いていたゴラン・ペトロビッチ(Goran Petrovic)氏の2006年の報告書によると、ムラディッチ被告は2001年、保安当局の電話傍受により、バリェボに潜伏していたことが分かっている。(c)AFP