【11月5日 AFP】米大統領選挙は4日、民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員(47)が共和党のジョン・マケイン(John McCain)候補(72)に勝利し、米国史上初の黒人大統領が誕生することになった。

 オバマ氏は来年1月20日、第44代大統領に就任する。1930年代以来最悪の金融危機、アフガニスタンとイラクでの2つの戦争、イランの核開発計画など、課題は山積している。

 各テレビ局は、オバマ候補が民主党の地盤で手堅く勝利し、共和党の地盤にも深く切り込んだ時点で、オバマ氏の勝利を予想した。共和党のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領が4年前に再選されたときにまだ無名だった男は、米国政界の頂点に登り詰め、混乱続きだった8年間のブッシュ政権に終止符を打つことになった。

 民主党が連邦議会の過半数を握る中で就任するオバマ氏は、同盟国との関係改善、イランや北朝鮮など「仮想敵国」との対話戦略のほか、気候変動対策の策定や国民皆保健制度の導入を公約に掲げている。

 オバマ氏の就任は、出自の点でも大きな転換点を示す。父親はケニア人、母親はカンザス州出身の白人で、人種差別が根強く残る同国でアフリカ系の大統領が誕生するのは初めてのことだ。

 2007年2月に地元イリノイ(Illinois)州で選挙活動を開始したオバマ氏は、変革を繰り返し呼びかけた。この「変革」は、米国史上最長かつ最も費用がかかったとされるこの選挙戦において、同候補のスローガンにもなった。

 草の根的な活動により集められた数千万ドルの資金をバックに、民主党の指名候補争いでヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員を破った。4日の本選では、激戦州ペンシルベニア(Pennsylvania)州とオハイオ(Ohio)州のほか、前回の選挙で共和党のブッシュ氏が獲得したニューメキシコ(New Mexico)、アイオワ(Iowa)の2州でも勝利し、マケイン氏の大統領就任への望みを断った。

 マケイン氏には、「米国史上最年長の大統領」のタイトルがかかっていた。(c)AFP