【11月4日 AFP】米国では、慢性疾患にかかった小児への投薬治療の増加傾向を反映して、小児における最も一般的なタイプの糖尿病治療薬の処方が2002-05年の間に倍増している――。米医療保険会社Express Scriptsとセントルイス大学(St. Louis University)による研究報告が3日、米小児科専門誌「Pedriatrics」で発表された。

 研究報告によると、5歳から19歳までの2型糖尿病患者に対する投薬治療が、02-05年の間に103%増となっているという。特に、女子が147%増と、男子の38.7%を大きく上回っている。

 また、ぜんそくへの医薬品処方も46.5%増となっている。注意力欠如障害や多動性障害への処方も40%増となっており、これらの疾病は男子の患者が女子の3倍に上っている。高コレステロール治療も15%増となっている。

 研究報告では「小児における慢性疾患に対する投薬治療の割合は、調査したすべての治療分野で増加していた」と強調。その上で「慢性疾患の危険因子の増加や小児への早期投薬治療に対する関心の高まりなど、こうした傾向に影響を与えている要素について追加的な研究が必要だ」としている。

 2型糖尿病では1000人中0.31人、ぜんそくでは同29.5人、注意力欠如障害では同25.4人、高コレステロールは同0.27人の小児が治療薬を処方されているという。

 また、抗うつ剤を処方されているのは1000人中15.65人となっており、02-05年の間に1.8%増加したことになる。抗うつ剤の処方に関し、男子が3.8%減となっているのに対し、女子が7.2%増となっている。(c)AFP