【10月30日 AFP】中国政府は29日、気候変動についての白書を発表した。その中で中国政府は、成長著しい中国経済は石炭に大きく依存しているため、温室効果ガス排出量を制御するのは困難だが、温暖化への取り組みは依然急務であるとの認識を示した。

 中国政府は、同国もすでに温暖化による深刻な影響を受けており、さらなる悪化が懸念される。「気温上昇や豪雨、干ばつなど極端な気象の発生頻度や威力が増している」と述べた。

 また、これらの現象が緩和されなければ、自然災害の増加や穀物の減産、さらに畜産への打撃により、全国民13億人の食糧が脅かされかねないとした。

 白書によれば、中国では1986-2007年の間に21回の暖冬を経験しており、07年は、1951年の詳細な観測開始以来、最も気温が高かった年だったという。

 しかし、中国で最も低価格かつ豊富な燃料源である石炭は、今後も中国の主要エネルギー源となるだろう。

 白書は「石炭を中心としたエネルギーミックスを短期的に大きく変化させることはできないため、温室効果ガス排出を制御することも非常に困難だ」とした。

 中国のエネルギー消費量の3分の2は石炭に依存している。中国のエネルギー消費量は近年急増しており、中国は米国に次いで世界第2位の温室効果ガス排出国となっている。(c)AFP/Robert J. Saiget