【10月24日 AFP】(一部更新)セロハンテープはそれ自体が透けているだけでなく、物を透かして見ることができる――セロハンテープを使うのにロールからはがす際、指や手の骨を透視撮影するのに十分なX線が発生するという驚きの研究結果が発表された。

 研究結果を発表したのは、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California in Los AngelesUCLA)のチーム。1950年代に旧ソ連の科学者たちが、セロハンテープを適切な速さではがすとエネルギースペクトルのX線の領域でパルスが発生することを突き止めていた。この話を聞いた研究チームは、実験することにした。

 23日に英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された実験内容によると、チームは自動でテープをはがす機械を用い、セロハンテープのロールを秒速3センチの速さではがしていった。この機械ごと真空の中に置くと、その結果、透視撮影に十分なX線が計測されたという。

 論文を共同執筆したCarlos Camara氏はAFPの電話取材に対し、研究チームは最初、結果を信じなかったと語った。「信じがたいことだったが、自分たちの手の写真を撮影したら骨が写り、本当だと証明された。(写真)は全部取ってあるが、一見の価値がある」

 しかし、どうしてこういう現象が発生するのかについては「まったく謎だ」と同氏は答えた。(c)AFP