【10月20日 AFP】南アフリカの与党アフリカ民族会議(African National CongressANC)は19日、土地改革の一環として、黒人への再分配にあたり農場主が土地の価格を設定できるとする法律を廃止すべきとの声明を採択した。

 2009年の総選挙以降の経済政策を話し合う会議の席上、グウェデ・マンタシェ(Gwede Mantashe)事務局長は「アパルトヘイトの撤廃から14年がたつが、依然として国土の87%が5万人の白人農場主に所有されている。受け入れ難いことだ」と遺憾の意を表明。「土地の再分配を、農場主の自発性に頼ることはできない。土地を評価し、それを基に没収するということもあってしかるべきだ」との考えを示した。

 土地改革は、ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領が白人農場主4000人の土地を強制収用して以来、白人農場主が多数を占める南部アフリカでは激しい物議を呼んでいる。

 南アフリカ政府は2014年までに白人所有地の30%を黒人に再分配するとしているが、1994年以降に実際に再分配された土地は4%に過ぎない。

 こうしたことから、ANCは強制収容を通じて土地改革をスピードアップさせるための法律を今年中に施行したい考えだが、国会は8月、「協議が不充分であり、法案の一部は憲法違反にあたる」として採決を棚上げにしている。(c)AFP