【10月18日 AFP】イラクのイスラム教シーア派(Shiite)反米指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師は18日、米国との地位協定締結を拒否するよう議会に要求した。サドル師の支持者ら数万人は、バグダッド(Baghdad)で大規模な反米デモを行った。

 イラン滞在中と伝えられているサドル師は、声明で「協定締結があなたがたの手の内にあるならば、イラクとその国民の運命もあなたがたの手中にある」と議員らに訴えた。

 また、「締結に賛成票を投じてはならない。協定締結が占領の終焉(しゅうえん)だと言っているとしても、占領者は依然として留まるだろう。協定はイラクに主権を与えると言っているならば、それはうそだ」と主張。サドル師は、米軍のイラク駐留に強く反発しており、前年に地位協定が提案されてから一貫して反対している。

 米国とイラクの交渉団は地位協定の草案に合意している。協定は、国連安全保障理事会決議が今年12月に失効した後の米軍の地位を規定するもの。協定は米・イラク両国政府が署名したのちイラク議会での承認が必要となる。

 地位協定の詳細については公表されていないが、当局者らによると、2011年末までの米軍完全撤退に向けたスケジュールが合意されたという。(c)AFP/Ammar Karim