【10月17日 AFP】15日に投票が行われたアゼルバイジャン大統領選挙は、開票率3分の2の段階で現職のイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領が89%得票し、再選を確実にした。

 野党の有力対立候補は、アリエフ政権が野党を迫害し、メディアを統制し、前回の選挙でも不正操作を行ったと非難して、選挙をボイコットしている。

 欧州安保協力機構(Organization for Co-operation and Security in EuropeOSCE)などから400人以上の監視要員が派遣されたが、監視団は16日発表した共同声明で、大統領選は著しい進歩が見られたものの、国際社会の一員として示すべき民主主義の基準を完全に満たしてはいないとの評価を下した。

 アリエフ大統領は2003年、父親であるヘイダル・アリエフ(Heydar Aliyev)前大統領からの事実上の権力世襲の形で大統領に就任した。

 アゼルバイジャンは、カスピ海(Caspian Sea)からトルコを経て欧州に石油や天然ガスを供給するパイプラインの戦略的ルートの出発点に位置しており、アリエフ大統領は就任以来、ロシアと米国の間で綱渡り外交をしてきた。

 米露両国はカスピ海の膨大なエネルギー資源の獲得を目指してアゼルバイジャン政府を抱き込もうとしており、米政府はアリエフ大統領の非民主主義的な政策を批判する一方、重要なエネルギー同盟国として称賛している。(c)AFP