【10月10日 AFP】1998年、ハル・シティ(Hull City)はイングランド・プレミアリーグの首位から数えて92番目、イングランドプロサッカーの底辺に位置していた。その10年後、慎ましやかなイングランド北部沿岸の町からやってきたあかぬけないチームが、驚くべきことに08-09プレミアリーグでチェルシー(Chelsea)、リバプール(Liverpool FC)に次いで現在3位につけている。

 1998年10月9日、ハルはホームでカーディフ・シティ(Cardiff City)に1-2で敗れ、1ポイント差で旧サード・ディビジョン(現フットボールリーグ2、実質4部に相当)最下位という位置まで落ちた。そして数週間後、ハルはカンファレンスリーグへの降格が現実味を帯びてきていた。ハルでプレーしていたベン・モーリー(Ben Morley)氏はプレス・アソシエーション(Press AssociationPA)の取材に対し「いつも悲惨な状況だった。ブースフェリーパーク(Boothferry Park、当時の本拠地)には4000人ぐらいの観客が来ていたと思う。その時に、10年後俺たちはプレミアリーグで3位にいるなんて言っていたら滑稽だったろう」と語る。

 当時のマーク・ヘイトリー(Mark Hateley)監督に代わり選手兼任監督としてウォーレン・ジョイス(Warren Joyce)が就任すると、追いつめられていたクラブが幸運に恵まれ劇的に変化した。そのシーズンの降格を免れたハルは、2001年にデヴィッド・ロイド(David Lloyd)元オーナーによりブースフェリーパークから締め出され、再び降格の危機に追い込まれるも、最終的にはアダム・ピアソン(Adam Pearson)氏らが経営権を獲得して財政上の窮地を脱出することに成功し、2002年12月に市営のKCスタジアム(KC Stadium)へ本拠地を移したことで弾みをつけた。

 3度の昇格後、2万5000枚のチケットは完売するなどその未来は確実に明るい。91年から97年にハルを率いたテリー・ドーラン(Terry Dolan)氏は「まったくもって素晴らしいことだ。彼らは現在行っているやり方を最大限に活用しなければならない。大きな違いの一つは新スタジアムだ。移転してから物事が変わった。クラブは現在成功を手にしている。あの頃の我々はクラブを維持していくことだけでやっとだった」とチームの活躍を称えている。(c)AFP