【10月9日 AFP】8日の各国外国為替市場は円が対ドル、ユーロで急伸し、1ドル=100円を突破するなど独歩高の様相を呈した。市場関係者によれば、各国が信用収縮への対応に苦慮する中で日本経済や国内銀行の傷が比較的浅いことが、円高の背景にある。

 投資家らはここ数年、低金利の円で資金を調達し、金利の高い別の通貨で運用する「円キャリートレード」という手法で利益を上げてきたが、最近の市場の混乱で高リスクの通貨を手放し、安全な資金逃避先として円を買う動きが強まっている。

 英スタンダード・チャータード(Standard Chartered)銀行の上級為替ストラテジスト、スティーブ・バロー(Steve Barrow)氏は、ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズ(Dow Jones Newswires)で、「金融危機は今後も続く可能性が高く、円高はさらに進むだろう」と指摘した。

 新生銀行(Shinsei Bank)キャピタルマーケッツ部の担当者も、「ドル高の要因はまったくなく、しばらくは円買いが続く可能性が高い」と述べている。(c)AFP