【10月7日 AFP】2008年のノーベル物理学賞受賞が決定した小林誠(Makoto Kobayashi)高エネルギー加速器研究機構(KEK)名誉教授(64)と、益川敏英(Toshihide Maskawa)京都産業大学教授(68)は7日、日本人研究者の受賞をきっかけに若者が科学への興味を持つようになってほしいと語った。
 
 スウェーデン王立科学アカデミーは同日、両氏と南部陽一郎(Yoichiro Nambu)米シカゴ大名誉教授(87、米国籍)の3氏に今年のノーベル物理学賞を贈ると発表した。

 麻生太郎(Taro Aso)首相は同日夜、早速2人に電話で祝意を表した。首相に若者へのメッセージを求められ、益川氏は「科学にロマンを持つことが大事。科学は面白いものだと実感して頑張ってほしい」、小林氏は「自分を信じて頑張るのがよい」と述べた。

 小林さんは理事を務める日本学術振興会(Japan Society for the Promotion of Science)で記者会見し、「突然のことで大変驚いている。信じられない気持ちだ」と前置きし、「(授賞)対象は30年も前の論文。益川さんとは(ノーベル賞を取ったら)大変だねという話をしたことはあったが、取れるとは思っていなかった」と喜びを語った。

 世界第2位の経済大国・日本は長年、技術開発力に誇りを抱いてきたが、57か国・地域の学生を対象にした2007年の調査では、科学関係のキャリアを追求したいと答えた日本の学生はわずか7.8%で、各国・地域のなかでも最低という衝撃的な結果だった。学生の数学力に関する経済協力開発機構(OECD)の国際調査でも、2000年に1位だった日本は10位に転落していた。(c)AFP/Shingo Ito