【10月6日 AFP】今年のノーベル各賞の受賞者発表が、いよいよ6日から始まる。さて、これまでのノーベル賞授賞歴において、最高齢や最年少の受賞は何歳か、これまでの女性受賞者は何人か、ご存じだろうか?

■最高齢受賞者は90歳、最年少受賞者は25歳

 これまでの最高齢受賞者は、2007年に経済学賞を受賞したレオニド・ハーウィックス(Leonid Hurwicz)氏だ。ロシア系米国人のハーウィックス氏は受賞時に90歳で、受賞から半年ほど経った今年6月に死去している。

 現在も存命中の最高齢受賞者は、ロシアのビタリー・ギンツブルク(Vitaly Ginzburg)氏だ。2003年に物理学賞を受賞した同氏は、4日に92歳の誕生日を迎えたばかり。2001年に化学賞受賞した91歳のウィリアム・ノーレス(William Knowles)氏(米国)が、ギンツブルク氏に続く最高齢受賞者となる。2002年の同賞受賞者ジョン・フェン(John Fenn)氏は、同僚のノーレス氏より誕生日がわずか2週間遅いため、存命中の最高齢受賞者3位に。

 ノーベル賞史上、最年少の受賞者は、1915年の英国人受賞者ウィリアム・ローレンス・ブラッグ(William Lawrence Bragg)氏だ。同氏はわずか25歳で物理学賞を受賞した。

 文学賞の最年少受賞者は英国人作家ラドヤード・キップリング(Rudyard Kipling)で、1907年の受賞時年齢は42歳だった。文学賞の最高齢受賞者も、同じ英国人作家のドリス・レッシング(Doris Lessing)氏だ。2007年に87歳で同賞を受賞したレッシング氏は、受賞によってマスコミ取材が殺到し執筆活動の時間がなくなったとして、文学賞受賞を「大変な災難」と評している。

 1901年にノーベル賞授賞が始まって以来、これまでに733人の男性が同各賞を受賞している。これに対し、女性の受賞者はわずか34人で、経済学賞の受賞者は1人もいない。また、物理学賞、化学賞でも、それぞれ1963年、1964年を最後に、女性受賞者は出ていない。一方、過去10年では、文学賞で2人、平和賞で3人の女性受賞者が出ている。女性受賞者の最高齢者は前述のレッシング氏だ。

■6人の受賞者辞退者

 一方、過去にノーベル賞を辞退した受賞者は6人。自身の意志により辞退したのは、フランスの思想家、ジャンポール・サルトル(Jean-Paul Sartre)と、当時の北ベトナムの革命家、レ・ドゥク・ト(Le Duc Tho)の2人だ。サルトルは1964年の文学賞を辞退。レ・ドク・トは1973年、パリの和平協定における尽力が評価され、米国のヘンリー・キッシンジャー(Henry Kissinger)大統領補佐官(当時)とともに平和賞を受賞したが、これを辞退している。

 このほか、1938年の化学賞受賞者、リチャード・クーン(Richard Kuhn)、1939年の同賞受賞者、アドルフ・ブーテナント(Adolf Butenandt)、同年の医学賞受賞者、ジェラルド・ドーマク(Gerhard Domagk)のドイツ人受賞者3人が、ナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の政策により、受賞を辞退させられている。

 また、小説『ドクトル・ジバゴ』で知られるソ連の作家、ボリス・パステルナーク(Boris Pasternak)も、スターリン政権下で1958年文学賞の辞退を強要された。(c)AFP