【10月4日 AFP】イラク国境に近いトルコ領内で3日、トルコ軍と武装勢力のクルド労働者党(Kurdistan Workers' PartyPKK)の間で激しい戦闘が発生し、トルコ軍兵士15人、PKK戦闘員23人が死亡した。トルコ軍が4日発表した。

 PKKはイラク北部の基地を使用したとみられ、トルコ政府に反撃を求める圧力が高まっていくものとみられる。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は2日間の日程で予定されていたモンゴル訪問を中止し、訪問先のトルクメニスタンから急きょ帰国した。4日午後5時(日本時間午後11時)から今後の対応を協議する。

 トルコのアナトリア(Anatolia)通信がトルコ軍報道官の話として伝えたところによると、3日午後、イラク北部の重火器の援護を受けた武装グループが、国境に近いハッカリ(Hakkari)県のSemdinliの軍の拠点を襲撃した。トルコ側の死亡者の大半は重火器によるものだったという。

 トルコ軍は増援を送るとともに、砲撃と攻撃ヘリコプターで武装勢力の拠点を攻撃した。また、攻撃を受けた拠点から約10キロのイラク北部にいた武装勢力の一群を砲兵部隊とジェット戦闘機が攻撃した。

 戦闘は3日夜まで続き、過去1年で最大規模の戦闘になった。トルコ兵2人が行方不明になり捜索が続いている。

 トルコ議会は前年10月、イラク領内のPKK掃討のための越境攻撃を承認した。トルコ軍はNATOと米国から入手した情報に基づき、1週間にわたり、空と陸からPKKの目標を攻撃する作戦を実施していた。

 越境攻撃の承認は17日に期限切れを迎える。トルコ政府は前週、1年間の期限延長を議会に求める意向を表明している。夏休み明けのトルコ議会は1日に再開されており、承認延長について採決が今後数週間以内に行われる見通し。(c)AFP