【9月30日 AFP】ソマリア沖で前週、ウクライナの貨物船が乗っ取られた事件で、ケニア、ウクライナ両政府は29日、同船に積載されていた戦車などの兵器類が、ケニア向けではなく実際はスーダンに送られるものだったとする米海軍の主張を否定した。

 海賊に乗っ取られた、33台の戦車などの兵器類を積んだウクライナの貨物船「MV Faina」号について、バーレーンに司令部を置く米海軍第5艦隊のネーサン・クリステンセン(Nathan Christensen)報道官は、スーダンにいる受け取り元に向かっていたという報告を受けていると語っていた。

 これに対し、ケニア国防当局のBogita Ongeri報道官はAFPに対し、「ケニア、ウクライナ両政府は、この貨物がスーダンの詳細不明の買い手ではなく、ケニア政府に属するものであることを証明するすべての書類をもっている」と語った。ケニアは当初から、貨物は同国軍の兵器類を更新するためのものだと主張している。

 また、ウクライナ外務省のVasyl Kyrylych報道官も、「われわれが得た情報によると、貨物はケニア国防当局に向けたものだ」と語った。

 MV Faina号は前週、ケニアのモンバサ(Mombasa)港に向かう途中、インド洋(Indian Ocean)上で海賊に乗っ取られた。(c)AFP