【9月26日 AFP】国連(UN)で開催されている、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げる「ミレニアム開発目標(Millennium Development GoalsMDGs)」への取り組みを協議するハイレベル会合で25日、目標の1つである出産時の妊産婦や乳幼児の死亡率の低下で成果が上がっていないことが明らかになった。

 ハイレベル会合に出席した、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)のマーガレット・チャン(Margaret Chan)事務局長は「20年にわたる取り組みにもかかわらず、国際社会は少しの成果も上げていない」と指摘した。

 チャン事務局長は、成果が上がっていない原因として、助産師の育成や病院への搬送など安全な出産のために必要なインフラに対する投資が数十年間行われていなかったことを挙げ、「多くの女性が病院へ行くすべがないために、自宅で死亡している」と強調した。

 ハイレベル会合の声明によると「300万人の妊産婦と700万人の乳幼児を救うために、そしてMDGsの目標を達成するために、2009年は24億ドル(約2600億円)の追加資金が、2015年には70億ドル(約7400億円)が必要になる」という。

 一方、ハイレベル会合に出席した世界銀行(World Bank)のロバート・ゼーリック(Robert Zoellick)総裁は、世界各国を次々に襲っている金融不安がMDGsに大きな影響を与えるだろうと指摘し、「懸念している」と語った。(c)AFP