【9月23日 AFP】(一部訂正)プロ野球、福岡ソフトバンク・ホークス(Fukuoka Softbank Hawks)の王貞治(Sadaharu Oh)監督(68)が23日、今季限りで退任すると発表した。王監督は、95年からダイエー(現ソフトバンク)・ホークスを14年間率い、3度のリーグ優勝、2度の日本一に導いた。

 2006年には野球の国別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(World Baseball Classic)で日本代表チームを初代王者に導いたが同年、がんで胃の全摘手術を受けた。

 王監督は選手時代、読売ジャイアンツ(Yomiuri Giants)に左利きの一塁手として22年間所属。1980年に引退するまで、世界最多868本のホームラン記録を残すなど活躍した。プロ野球界を象徴する存在として多くのファンに愛されるとともに、その謙虚な姿勢で尊敬も集めた。

 この日、福岡での日ハム戦を5-2の敗戦で終えた後、記者会見を開いた王監督は「50年、いい野球人生だった。1つの道にこれだけどっぷりつかって、心をときめかせて68歳までやれ、とても幸せだった」と語った。

 また病を抱えて以来、体力的にすぐれず「じれったい思いで過ごしてきた」と明かし、「夏以降、私の体調が良くないのが選手に乗り移ってしまった。チームの流れを変えるために監督交代がなくてはならないと思った」と述べた。退任後については考えてなく、「しばらくのんびりしたい」と述べた。

 最近では、2009年に行われる第2回ワールド・ベースボール・クラシックの監督候補にも名前が挙がっていた。王監督は日本の野球界が自分を必要とするならば、協力を惜しまないと述べた。監督は日本で中国人の父と日本人の母の下に生まれ、台湾国籍を持つ。

 また選手時代のホームラン記録は、07年にバリー・ボンズ(Barry Bonds)選手が抜くまで33年間、米メジャーリーグ(Major League)記録として不倒だったハンク・アーロン(Hank Aaron)氏の755本を抜き、世界一となったことでよく知られる。ボンズ選手の通算ホームランは現在762本。米国ではプレーレベルや球場の広さなどの違いから王監督の業績を認めない声もある。(c)AFP