【9月21日 AFP】米インターネット検索大手グーグル(Google)と米ゼネラル・エレクトリック(General ElectricGE)は17日、米電力網の「洗練化」とクリーンエネルギーの推進で共同事業に乗り出すと発表した。

 両社は自然エネルギー技術の開発を共同で進めるほか、再生可能エネルギーについて明確な政策を支持するよう政治家たちにロビー活動を行っていく。

 過去2年にわたりグーグルは地熱発電、太陽光発電、風力発電への投資など数々のクリーンエネルギー構想を立ち上げてきた。社内には「石炭よりも安い再生可能エネルギー」プロジェクトに取り組む専門チームを設置し、温暖化ガスを排出する化石燃料による発電よりも地球に優しく、価格も手ごろなエネルギー源からの発電を目標に掲げている。

■送電網の世代交代が不可欠

 グーグルによると、再生可能電力の恩恵は、米国内の送電線網を世代交代させなければ十分に得ることができない。巨大な発電所からただ送電するだけの機能しかもたない現在のシステムから、どの種類の電力をいつ使ったかを利用者が自分で追跡・管理できる「賢い」電力網、スマートグリッドに変える必要がある。

 しかし技術面ではなく、政治的な問題や規制が電力網改修の障害となっていると、グーグルの気候変動とエネルギー・イニシアチブを担当するDan Reicherディレクターは語る。「ダコタ地方(Dakotas)の風やモハベ砂漠(Mojave Desert)の太陽光を利用して作った電力を遠くの都市に送るために送電線を増やしたいというとき、ワシントンの政策をどう動かせばよいだろう?来年1月に新政権が発足し、新たな議会が始まれば、こうした障害を打破していくうえで大きく前進するだろう」。Reicher氏は、プラグイン式自動車が電力システムにとって「損害ではなく利益」となるためには、国内送電線網をコンピュータ時代にあわせて更新することが不可欠だという。

 電力網がスマートグリッドになれば、例えば1日のうち利用量が少ない時間帯に電気自動車のバッテリーを充電したり、太陽エネルギーなどの余った再生エネルギーを電力会社が買い取ることも可能になる。例えば、電気自動車搭載のソフトウエアで、需要の低い時間帯に充電し、需要ピーク時には電力を送電線に送ることが可能になる。

■多くの企業の参加を

 大手自動車メーカー各社は、2010年までに米市場でプラグイン式の電気自動車を販売開始すると発表している。グーグルではプラグイン式電気自動車の技術開発にこれまでも投資し、試験を行ってきた。

「電気機器の王者」GEとの今回の提携では、グーグルの熟練コンピュータ・プログラマーらが、GEの専門家らとのチームに合流する。スマートグリッドの整備さえ進めば「貢献できるものは多いと思う」とReicher氏は語る。

 両社では、この共同事業を巨大化させ独占するのではなく、他社も参加して利益と目標の重なる部分を共有することを期待している。(c)AFP/Glenn Chapman