【9月19日 AFP】シンガポールにある米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の子会社では18日、米当局による救済策が発表されたにもかかわらず不安に駆られた保険契約者らが、前日に引き続き建物の外まで長蛇の列をつくっている。

 AIGの100%子会社American International AssuranceAIA)の建物内には、保険の解約などを求める数百人以上の顧客が詰めかけている。顧客らは17日にも同社を訪れていたが対応が間に合わず、18日になって再び列をつくっている。

 AIAのシンガポール、香港(Hong Kong)支店は、保険を解約したのはごく少数だとした上で、解約した顧客を再び獲得するための措置を発表した。具体的には、保険への再加入料や健康状態の告知手続きを免除する方針だという。

 米連邦準備制度理事会(Federal Reserve BoardFRB)は、世界的な金融不安を防ぐためAIGに対し850億ドル(約9兆円)の融資を行うことを発表しているが、シンガポールの顧客のほとんどは列に並んだままだ。

 18日だけで少なくとも500人の顧客が問い合わせに訪れたほか、そのほかにも整理券を受け取り、19日にまた並ぶと語る顧客も見られた。

 AIA香港は18日、破たんを懸念する顧客によって、2000件以上の保険が解約されたと発表した。AIAの香港、マカオ(Macau)支店の支店長を務めるDerek Yung上級副社長は、同社は220万件の保険契約を結んでいることから、この数字はさほど大きいものではないと語っている。(c)AFP/Bernice Han