【9月17日 AFP】15日行われたルワンダ下院議会の直接選挙は、与党ルワンダ愛国戦線(Rwanda Patriotic FrontRPF)が圧倒的過半数を獲得した。選挙管理委員会が16日明らかにした。

 定数80の下院選挙は、まず15日の直接選挙で53議席を確定した。ポール・カガメ(Paul Kagame)大統領のRPFは42議席、社会民主党は7議席、自由党は4議席を獲得した。

 残る27議席については16-18日の間接選挙で女性(24議席)、青年代表(2議席)、障害者代表(1議席)にそれぞれ割り当てられる。

 こうした選挙制度が、世界にも類を見ない「男女比がほぼ同一」の議会を作り上げている。選挙前の女性議員の割合は48%だった。1994年、主流民族フツ族が少数民族ツチ族を虐殺したことで、男女比に偏りが出た。国連(UN)によると80万人が死亡、多くの人が避難したという。

 ルワンダ選挙管理委員会によると、今回の選挙では、有権者登録をした470万人の54.9%が女性、男性は45.1%だという。

■女性だからできること

 女性の代表などを選ぶ間接選挙が始まった16日朝には、キガリ(Kigali)州ニャルゲンゲ郡(Nyarugenge)の投票所に、女性たち100人あまりが列を作った。

 30代のある女性看護師は、女性議員が多いことは、まさに「国に正しい決断をさせる」ことにつながると話す。「大虐殺時の行いを告白するよう夫に働きかけたのも、女性たちだったのですから」

 間接選挙で選ばれる女性の代表は、政党への所属が認められていないが、女性有権者は候補者2人まで投票できる。キガリ大学で化学を教えているという女性は、「代表には、教育と保健衛生の向上とともに、女性差別にも取り組んでほしい。政党は関係ありません」と話した。

 選挙の運営に携わった女性は、「すべての国民が和解に向けた役割を担っていますが、女性は男性以上の役割を果たすことができます。女性は大虐殺の第一の犠牲者ですし、子どもたちを育てているのも女性たちなのですから」と語った。

 男女平等は、実生活、特に田舎ではまだほど遠い状態だと、女性たちは口をそろえる。投票所に現れたある女性は、「例えば、起業する女性はまだそんなに多くはありません」と話した。「大虐殺のことは忘れられませんが、いつもそればかりを考えていることはできません。前に進まなければならないのですから」(c)AFP