【9月9日 AFP】民主党の大統領候補バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は8日、共和党の正副大統領候補のジョン・マケイン(John McCain)上院議員とサラ・ペイリン(Sarah Palin)アラスカ(Alaska)州知事を、これまでにない激しい調子で攻撃した。

 ミシガン(Michigan)州ファーミントンヒルズ(Farmington Hills)で選挙集会に現れたオバマ氏はまずペイリン氏をやり玉に挙げ、「どこにも行けない橋(Bridge to Nowhere)」として全米の批判を浴びたアラスカのグラヴィナ・アイランド橋(Gravina Island Bridge)の建設をペイリン氏は当初は支持していたと指摘。自分が市長を務めていた市に利益を誘導するためワシントンのロビイストを雇ったと批判した。

 オバマ氏の攻撃の矛先はマケイン氏にも向かう。「ペイリン氏と壇上に並んだマケイン氏は、『われわれはチェンジ(変革)をもたらすためにここにいる』と語ったが、一体、どういう神経でチェンジという言葉を口にできるのか」
 
 オバマ氏はさらに気勢を上げる。「彼らが語る『チェンジ』は中身を伴わない空っぽの言葉だ。きっと、『そうだ、オバマはチェンジという言葉で成功した。われわれもチェンジを使おう』と思いついたのだろう」と揶揄(やゆ)すると、1500人の聴衆から笑いが沸いた。

 オバマ陣営は、「どこにも行けない橋」を絶賛するTシャツを着たペイリン氏の写真や、ジョージ・W・ ブッシュ(George W. Bush)大統領の政策に沿う投票行動をとってきたマケイン氏の過去の活動を強調するCMを制作した。

 CMでナレーターは「マケイン氏は共和党の一匹狼だと言っているが、過去の実績についてうそをつくようでは他の政治家と同じだ。一匹狼などではない」と語り、タブーを破って対立候補の不誠実さをあからさまに攻撃した。

 オバマ陣営の広報担当、ビル・バートン(Bill Burton)氏も、「マケイン陣営は、マスコミが繰り返し疑わしいと伝えているのにもかかわらずペイリン氏があの橋の建設を止めたといううそを繰り返している」と対立陣営を批判した。(c)AFP/Jitendra Joshi