【9月7日 AFP】ハリケーン「アイク(Ike)」は7日未明、英領タークスカイコス諸島(Turks and Caicos Islands)を直撃した。今後バハマ(Bahamas)やキューバ(Cuba)、米国のメキシコ湾岸地帯に上陸する恐れがある。一方、熱帯性暴風雨「ハンナ(Hanna)」は、依然として米国東海岸で猛威を振るっている。

 米国立ハリケーンセンター(US National Hurricane Center)によれば、ハバナ南部付近に位置する低地の多いタークスカイコス諸島は6日午後、5段階で2番目に強いカテゴリー4を維持したハリケーン「アイク」の影響を受け始めた。

 当面、アイクによる被害が最も心配されるのはハイチだ。ハイチは「ハンナ」に襲われて500人以上が死亡し、現在も数千人が援助を必要としている。

 「アイク」は、7日夜から8日にかけてキューバ北西部を直撃するとみられている。ハリケーン「グスタフ(Gustav)」によって、一週間前に西部を中心に家屋14万戸が破壊・損壊したばかりのキューバは警戒を強めている。

 早ければ8日にはフロリダ(Florida)州を通過してメキシコ湾に入り、かつてハリケーン「カトリーナ(Katrina)」で大きな被害を受けたニューオーリンズ(New Orleans)があるルイジアナ(Louisiana)州の方向へ進むとみられている。

 フロリダ州当局は「アイク」の動向を注意深く見守っている。フロリダ州のチャーリー・クリスト(Charlie Christtold)州知事は、記者会見し、「フロリダ州の全ての人に今後数日間で準備することを強く求める。今準備しておけば、全ての人の安全を確保できる」と述べた。

 マイアミ(Miami)やフォートローダーデール(Fort Lauderdale)など人口が密集する都市がある南フロリダは、1992年のハリケーン「アンドリュー(Andrew)」以降、勢力の強いハリケーンが直撃したことがない。ハリケーン「アンドリュー」は、2005年にハリケーン「カトリーナ(Katrina)」が米国を直撃するまで、米国史上、最も大きな被害をもたらした自然災害だった。(c)AFP