【9月4日 AFP】イスラエル考古学庁(Israel Antiquities Authority)は3日、エルサレム(Jerusalem)旧市街のはずれにあるシオン山(Mount Zion)から、2100年以上前の第二神殿(Jewish Second Temple)時代の城壁、およびビザンチン帝国時代(西暦4-7世紀)の城壁の一部を発掘したと発表した。

 第二神殿時代の城壁は、紀元前2世紀のハスモン王朝時代に建設された、高さ3.2メートルの塔および城壁の一部。西暦70年、ローマによりエルサレムの第二神殿とともに破壊された。現在のエルサレムの城壁は、16世紀のオスマン帝国時代に建設されたものだ。

 同庁の考古学チームのYehiel Zelinger氏は記者会見で、「エルサレムは第二神殿時代とビザンチン帝国時代に最も栄華を極めた。第二神殿時代には、世界中のユダヤ教徒が神殿めざしてエルサレムに巡礼し、ビザンチン時代にはキリスト教徒の巡礼地になった」と話した。

 19世紀末にもパレスチナ探査基金(Palestine Exploration Fund)の英考古学チームが同じ場所で発掘を行っている。今回、再発掘するにあたり場所が特定できなかったため、当時の地図と最新の地図とを比較して、場所を特定したという。発掘では、当時の発掘隊の「置きみやげ」である靴、ガスライト、ビール瓶やワインボトルの破片も見つかっている。(c)AFP