【9月2日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は1日、火星探査機フェニックス・マーズ・ランダー(Phoenix Mars Lander)が採取した土壌サンプルの写真を公開した。
 
 フェニックスが集めた複数の採取サンプルの山は「キャタピラー(Caterpillar)」と呼ばれ、火星の土壌に関する情報を研究者たちに提供している。写真は高さ10センチ程度の円錐形の山で、フェニックスが掘削した「ドードー(Dodo)」「アッパー・カップボード(Upper Cupboard)」「ストーン・スープ(Stone Soup)」とそれぞれ名付けられた溝からロボットアームが採取したサンプルが積み上げられている。

 スペクトル的観測では火星の土壌からこれまでに確認されている水分の痕跡は見られなかったが、大きな塊の中には高い塩分濃度を示す板状の組成部分があり、これらはストーン・スープの深部から隆起した地層に見られる塩分堆積(たいせき)と一致する可能性がある。

 こうした山は複数作られており、円錐の傾斜角や土の組成などのデータから、採取したサンプルの特性を探ることができる。

 なお、写真はフェニックス搭載の地表ステレオ撮像装置SSI(Surface Stereo Imager)で、複数のフィルターを使って別々に撮影した画像を合成してあるため、その色は実際の色に近い。火星探査88日目の8月24日に撮影された。(c)AFP