【8月29日 AFP】(一部更新、写真追加)米民主党の大統領候補に指名されたバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は28日、コロラド(Colorado)州デンバー(Denver)で開催されている全国党大会で指名受諾演説を行い、米国民が変化に向けた新たな戦いで団結すれば、「夢は1つになる」と語った。

 集まった7万5000人の支持者らを前に、オバマ氏は指名を正式受諾し、主要政党として初めてのアフリカ系大統領候補となった。この日は、黒人公民権運動の指導者、故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King jr.)牧師がワシントン大行進を行ってからちょうど45年にあたる。

 オバマ氏は、1963年にキング牧師が行った人種差別撤廃を求める「わたしには夢がある」の演説を彷彿させる演説で、「あらゆる肩書き、人種、異なる人生を歩む人々」が「米国民として密接につながった運命を持っており、ともに歩めば夢は1つになる」と語った。

 また、キング牧師が「われわれは1人では歩いていけない。歩き出したら前進あるのみだと誓わねばならない。後戻りはできない」と述べたことになぞらえ、「米国よ、わたしたちは後退できない」と述べ、8年にわたる「ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領政権の失政」からの転換を誓った。

 共和党の候補指名が確実なジョン・マケイン(John McCain)上院議員から外交経験の少なさを指摘されていることに対しては、「ブッシュ大統領からマケイン氏に引き継がれる外交政策は、先人の米国民が党を問わず何世代にもわたって築いてきた遺産を食い潰してしまった。わたしたちがその遺産を回復させる」と述べた。

 その上で、米軍の派遣について「危険な場所への派遣は、明確な使命と神聖な志がある場合のみに限り、戦闘に必要な装備と、帰還の際に兵士らが受けるに値するケアや保証を約束する」とした。

 さらに「わたしたちは今、今後を左右する時期にいる。国は戦争に参加しており、経済の混乱は続いている。米国の未来は再び脅かされている」と指摘。「今、わたしたちがここにいるのは、この国をとても愛しており、次の4年が過去8年間と同じ有様になるのを見過ごすことができないからだ。11月4日、わたしたちは立ち上がり、『8年で十分だ』と言おう」と訴えた。(c)AFP/Stephen Collinson