【8月26日 AFP】スーダン西部ダルフール(Darfur)地方で25日、政府軍が同地方最大のカルマ(Kalma)難民キャンプに突入し、銃撃戦で少なくとも25人が死亡、負傷者も多数出ているもようだ。

 死傷者数については複数の情報が交錯しており、負傷者の治療にあたっている援助団体や、銃撃戦直後に現地に派遣された国連(UN)平和維持活動(PKO)部隊も正確な数は把握できていない。国連関係者によれば、未確認であるものの32人が死亡し100人以上がキャンプ内の医療所で手当を受けているとの情報もあるという。

 目撃者情報によると、同日未明、政府軍がキャンプ周囲に集結したという。また、反政府組織「スーダン解放軍(Sudan Liberation ArmySLA)」のAhmed Abdel Shafie司令官はダルフールの別の場所で「政府軍が難民らにキャンプ外に出るよう警告したあと、キャンプの東側で銃撃を始めた」とAFPに明らかにした。

 カルマ難民キャンプは、ダルフール紛争で住む地を追われた難民8万人余りが暮らす最大の難民キャンプだが、スーダン政府は各武装勢力が同キャンプを隠れ拠点に利用しているとして、閉鎖の意向を示していた。これまでのところ警察当局からのコメントはないが、警官隊が「指名手配犯」を逮捕し、武器や麻薬を押収したと伝えられている。

 事件の数時間後には、5年間におよぶダルフール紛争の政治的解決に向け、国連・アフリカ連合ダルフール合同活動(United Nations-African Union Mission in DarfurUNAMID)調整官のジブリル・イペネ・バソレ(Djibril Yipene Bassole)氏が、ダルフールに着任する予定となっていた。(c)AFP/Abdelmoniem Abu Edries Ali