【8月23日 AFP】ボスニア・ヘルツェゴビナ中部ゼニツァ(Zenica)で、服役囚の麻薬密売の運び役となっていた伝書鳩を警察が「身柄拘束」していたことが21日明らかになった。

 このハトがゼニツァ刑務所のある室房内の窓から房内へ降り立った後、中にいた服役囚4人が明らかに麻薬による幻覚症状を示したため、4人に対し麻薬テストを行ったところヘロインが検出されことから、ハトの役割が発覚した。

 このハトは服役囚の1人がペットとして刑務所内で飼っていたもので、おそらく小袋に詰めた麻薬を足にくくりつけ、ゼニツァから北東に70キロ離れたトゥズラ(Tuzla)との間を運搬させられていたものとみられる。

 4人については懲戒手続がとられたが、身柄を拘束しているハトについて、ゼニツァ警察は「どう処置すべきか分からないが、当面は檻の中に入っていてもらわねばならない」と語っている。

 ハトが麻薬密売に利用された事実をうけ、各刑務所では服役囚らの更生活動の一環として実施してきたハトの飼育活動の中止も検討しているという。

 ブラジルの刑務所でも今年初め、服役囚らがハトに麻薬を運ばせていた事件があったが、このハトたちは携帯電話まで運んでいたという。(c)AFP