【8月22日 AFP】米経済誌「フォーブス(Forbes)」は21日、世界で最も裕福な王族に推定資産350億ドル(約3兆8000億円)でタイのプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王(80)を選出した。プミポン国王は、第2位に選出されたオイルマネーで潤うアラブ首長国連邦(United Arab EmiratesUAE)大統領のハリファ・ビン・ ザイド・ナハヤン(Khalifa bin Zayed al-Nahyan)アブダビ首長(60)を資産額で大きく引き離した。

 プミポン国王は、世界最長の62年間にわたって王位の座にある。他の国王と比較して、資産の透明性が高かったことがプミポン国王の1位獲得につながった。

 フォーブス誌は、タイ王室の資産管理当局は今年に入りバンコク市内の3493エーカー(約14平方キロ)の土地を含む広大な所有地を開放したことなどで、これまでにない資産公開が行われたとした。

 また同誌は「世界の王族長者の上位15人の資産総額は、前年の950億ドル(約10兆4000億円)から1310億ドル(14兆3000億円)に増加した」とし、王族にとって良い投資環境の年だったと評価した。

 原油価格の高騰が影響し、中東やアジアの石油産出国の王族が長者番付の上位を独占した。

 第2位のハリファUAE大統領は、アブダビ首長国の豊富な石油埋蔵量に支えられ、推定資産が230億ドル(約2兆5000億円)となった。

 3位には、2005年に王位に就いた世界最大の石油輸出国サウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王(84)が、推定資産210億ドル(約2兆3000億円)で選出された。

 前回1位だったブルネイのハサナル・ボルキア(Hassanal Bolkiah)国王(62)は、推定資産200億ドル(約2兆2000億円)で4位となった。ブルネイは、東南アジアのボルネオ(Borneo)島にある小国で、豊富な石油埋蔵量で潤ってきた。

 ボルキア国王の資産が減少傾向にあることについて、フォーブス誌は、「600年の歴史あるイスラム王朝を継承したボルキア国王は、石油埋蔵量の枯渇から石油生産量を削減せざるを得なかった」と説明した。

 5位は、推定資産180億ドル(約1兆9000億円)でドバイのムハンマド・ビン・ラシド(Mohammed bin Rashid)首長(58)が選出された。

 6位には、欧州から王族長者入りした2人のうち、リヒテンシュタイン元首のハンス・アダム2世(Hans-Adam II、63)が資産50億ドル(約5500億円)で選出された。しかしながら、アダム2世の主要資産は、米人富裕顧客の脱税行為をほう助した疑いで米国が調査しているLGT銀行(LGT Bank)が管理している。(c)AFP