【8月21日 AFP】スペイン・マドリード(Madrid)のバラハス(Barajas)国際空港でスペイン航空会社スパンエア(Spanair)の旅客機が炎上し153人が死亡した事故で21日、捜査員らによる機体の調査が行われた。

 神父や精神分析医が夜を徹して親族らの悲しみを和らげようと努めるなか、離陸時に炎上したとみられているスパンエアMD-82型旅客機のエンジンが、どのようにして炎上したのかについてさまざまな疑問が投げかけられている。

 今回の事故は、180人が死亡した1983年のマドリードでのコロンビア航空(Colombian airline)ボーイング747(Boeing)型機墜落事故以降、スペインで最大の航空機事故となった。また欧州では、2006年にウクライナでロシアのツポレフ(Tupolev)機が墜落し、170人が死亡して以降、最大の死者数となる事故となった。

 スペインのマグダレナ・アルバレス(Magdalena Alvarez)開発相は、MD-82型機が離陸直後に事故を起こしたと説明した。しかし、同機の後輪が離陸していたかどうかは分かっていない。

 また、事故を起こした航空機は、技術的なトラブルのために滑走路から一度ひき返し、離陸予定を1時間遅れていた。

 フライトレコーダー2台が回収され、分析が行われている。

 報道では、離陸の時点で左エンジンが出火していたとされているものの、当局は事実とは認めなかった。

 エンジンからの出火は事故原因を説明するには不十分で、他に原因があるとみる専門家もいる。
 
 事故機のパイロットは外気温度計測器の異常を伝えていたが、離陸前に直された。

 事故を起こした機体は15年前に製造され、スパンエアは9年前に大韓航空(Korean Air)から購入した。スパンエアによると、同機は今年初めに点検整備を済ませていた。(c)AFP