【8月13日 AFP】フランスの地中海岸の街、アンチベ(Antibes)の警察は11日、「麻薬運転」を取り締まるために路肩での唾液検査を開始した。

 アンチベにはミシェル・アリヨマリ(Michele Alliot-Marie)内相が訪れ、実施を見守った。政府は、唾液検査を同地で試験的に実施した後、全国に導入し、薬物スクリーニングキットを全国で5万個程度配布したい考えだ。当局は、唾液検査により数百人の命が救われるだろうとしている。

 唾液検査の所要時間は数分間と、尿や血液の検査よりも早い。検査では、スティックに唾を吐きかけてもらい、これを化学物資に浸す。大麻、エクスタシー、コカイン、ヘロイン、アンフェタミンなどの薬物について陰性の場合はスティックに赤い線が現れるが、陽性の場合には現れない。陽性だったドライバーについては、ほかの薬が麻薬として検出された場合を考慮して、血液検査も実施する。

 この日行われた試験では、最初の10例のうち3例で陽性反応が出た。試験では数時間前までの喫飲しか検出されないとしているが、3日前に大麻を吸った男性でも陽性反応が出たという。

 薬物の使用が認められたドライバーは、運転免許がはく奪され、最高で4500ユーロ(約74万円)の罰金と禁固2年の刑が科される。

 フランス人専門家による2005年の研究では、大麻を吸って自動車を運転すると死亡事故の確率が2倍になり、アルコールも併せて摂取した場合には15倍にも跳ね上がることがわかっている。麻薬運転による死亡事故は、年間230件にものぼる。

 同様の検査は、すでにオーストラリア南部で実施されている。(c)AF