【8月12日 AFP】ドイツ人心理学者らの実験が正しければ、深紅のユニフォームに身を包んだ中国の選手団は非常に有利かもしれない。審判が赤いユニフォームを着た選手寄りの判定を下す傾向があることが、実験の結果わかったからだ。

 ミュンスター大学(University of Munster)の3人の心理学者は、テコンドーの複数の審判に、赤のユニフォームと青のユニフォームを着た2人の選手の試合をビデオで見てもらい、42の試合それぞれについて判定してもらった。

 次に、選手のユニフォームの赤と青をデジタル処理で入れ替えた同じ試合を見てもらい、同様に判定してもらった。

 すると、各選手が赤と青の両方を着ていたことになるにもかかわらず、赤のユニフォームを着た選手の得点は青のユニフォームを着た選手を平均で13%上回るという結果が出た。青いユニフォームを赤に変えるとその選手の得点は上がり、逆に赤いユニフォームを青に変えるとその選手の得点は下がる傾向にあることも認められたという。

 3人の心理学者は、ユニフォームの色が審判の「コンマ何秒の判定」に影響を及ぼし、それが試合を左右する可能性があることが実験で明らかになったとしているが、競り合いではなく一方が明らかに勝っている場合はその影響は少ないとも指摘した。

 ほかの色についてもさらなる調査が必要だとしているが、色に対する偏向が問題になりうる一部のスポーツでは、ルールの変更や電子機器の導入が必要になるのではないかと示唆している。(c)AFP