【8月11日 AFP】グルジアからの分離独立を求める南オセチア(South Ossetia)自治州をめぐるグルジアとロシアの軍事衝突について、調停に乗り出した欧州連合(EU)が示した和平案をグルジア側が受け入れた。緊急会談のためモスクワ(Moscow)に向かったEU議長国フランスのベルナール・クシュネル(Bernard Kouchner)外相が11日、明らかにした。

 クシュネル外相は10日夜、即時停戦を求めるEU案を携えてグルジアを訪問、ミハイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)大統領と会談した。EU案はさらにグルジア・ロシア両軍に対し統制された撤退を求めた上で、最終的には政治的対話を呼び掛けている。また戦闘の犠牲者に対する医療アクセスの確保も要請している。

 グルジアの首都トビリシ(Tbilisi)でラジオ出演したクシュネル外相は「市民を保護するために停戦が必要。この観点から、サーカシビリ大統領はほぼ全面的にわれわれが示した提案を受け入れた」と報告した。

 クシュネル外相に同行している欧州安保協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)議長のアレクサンデル・スタッブ(Alexander Stubb)フィンランド外相によると、クシュネル氏は11日中にモスクワでドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)露大統領、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)同外相と会談する。
 
 またクシュネル外相は、自らの認識の範囲内ではと前置きした上で、ニコラ・ サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領が12日、事態打開へ向けた停戦協議のためモスクワを訪問する予定だと述べた。

 グルジア政府は11日、ロシア軍は南オセチア州を制圧した後、停戦要求や米国の外交的警告を無視し、攻撃を強化していると発表した。これに関連し、クシュネル外相は前述のラジオ・インタビューで、仲介役としての欧州の役割が鍵となると述べ、ロシアとグルジアの狭間においての米国は「ある意味、衝突の一部だ」と語った。(c)AFP