【8月29日 IDO Securities】28日付けの日経新聞朝刊で(ベア・スターンズの危機が表面化した3月、日米欧の当局者が電話で緊急会談を行い、ドル買い協調介入を柱とするドル防衛策で秘密裏に合意していた)と報道されたが、今回の記事に対する市場の限定的となっている。
 あくまでこの「秘密合意」は、原油が急騰しながら史上最高値を更新していた中、ユーロドルが1.6ドル近辺まで急騰、ドル円も95円台まで急落していた時の話で、過去の話としてとらえられている反応だ。
 また、結局はドル買い介入が行われなかったことを考慮すると、G7声明等で中国の為替政策を非難してきた中、介入実施のハードルは依然として高いとマーケットは見ているのかもしれない。仮に、ドルが緩やかに下落をしていくような展開であれば、95円を超える価格水準となっても介入が行われる可能性は低いと見る。今回の報道を受けて、ドル円が100円割れ方向に下落した場合、介入期待から個人投資家を中心にした本邦投資家による円売り圧力は強まると予想されるが、単純な値頃感・介入期待感で対応しない方が良いだろう。
 ドル円は重要変化日(8/15)にトップアウト後、ダイヤモンドフォーメーションを形成中。25週移動平均線~108円半ばの支持帯で下支えられている格好だが、ストキャスティクスは下降中で、例えドルが戻りを見せても、弱気のダイバージェンシー(逆行現象)のサインとなる。放れ待ちの展開だが、次の需要変化日は、9月3日、及び9月13日(それぞれ前後3営業日)。ハリケーン「グスタフ」がメキシコ湾岸に上陸するのが9月1日~2日の見通し。レイバーデーを含む連休前後の薄商いの中、注意すべき時間帯が接近中だ。

(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(北浜流一郎・菊川弘之の朝一投資大学)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。

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