【8月15日 MODE PRESS】ごく普通に生活していたはずなのに、いつの間にか不協和音しか奏でられなくなった4人家族の物語『トウキョウソナタ』が9月に公開される。第61回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞に輝いた本作で、黒沢清(Kiyoshi Kurosawa)監督は真正面から向き合う親子の姿を描き切り、新たな境地を見せた。

 東京、線路沿いの小さな家に暮らす佐々木家。ごく平凡な家庭に見えるが、それぞれが秘密を抱えている。リストラされたことを家族に言えない父(香川照之)、漠然とした閉塞感を抱える母(小泉今日子)、アメリカ軍への入隊を決める兄(小柳友)、弟(井之脇海)は給食費を使ってこっそりピアノを習っている。

 家族の均衡をかろうじて保っていた彼らの日常に、突如侵入してくる強盗(役所広司)。事件をきっかけに完全に崩壊したかに見える親子が、もう一度ひとつの旋律を共に奏でる日は来るのだろうか?

 「ある種の希望にたどり着きたかった」と監督が語るように、エンディングでは家族にささやかな幸せが訪れ、一筋の光がさす。当初から父親役に想定していたという香川をはじめ、リアリティたっぷりにそれぞれのキャラクターを演じた俳優陣の熱演に注目だ。(c)MODE PRESS

9月27日(土)、恵比寿ガーデンシネマ、シネカノン有楽町ほかにて公開
配給:ピックス