大気汚染とドーピングを通り抜け輝く陸上選手たち
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【8月2日 AFP】北京五輪組織委員会(Beijing Organizing Committee for the 2008 Olympic Games、BOCOG)は陸上競技の最高峰のイベントで競技参加者の心躍る結果が、卑しむべき不安のもととなるドーピングを払いのけトップクラスのスポーツの祭典を提供することを望んでいる。
もちろん、人気選手や記録を破る実力者ら多くの有名選手が輝くための舞台は整ったが、それと同時にうだるような状態の気温や湿気になった時の大気汚染のレベルが懸念されている。
しかしながら、薬物の陽性反応による出場停止取り消しに失敗した2004年のアテネ五輪の男子100メートル王者ジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin)は出場しない。五輪で5枚のメダルを獲得したマリオン・ジョーンズ(Marion Jones)が、運動能力向上薬の使用について捜査官に虚偽証言を行ったとして獲得したメダルを剥奪されるなど、ドーピングは今年(2008年)もまた陸上競技に醜い影を投げかけた。また、デニス・ミッチェル(Dennis Mitchell)、アントニオ・ペティグリュー(Antonio Pettigrew)、ジェローム・ヤング(Jerome Young)ら金メダルを獲得した米国の元リレーチームのメンバーが、ジャマイカ生まれのトレバー・グラハム(Trevor Graham)コーチの助言によりドーピングを行ったことを認めている。米国の指導者は北京にドーピングを送り込むことはないとし、米国五輪協会(United States Olympic Committee:USOC)のピーター・ユベロス(Peter Ueberroth)会長は「我々は不正に苦しんだ人々を見てきた。我々は、国際大会に汚れないチームを連れて行くという世評を築きたい」と語り、代表チームが運動能力向上薬を使用していないことを確かにするため追加の措置で相当数のドーピング検査を行ったとしている。
トラック上では、第11回世界陸上大阪大会(11th IAAF World Championships in Athletics Osaka)で男子100メートルと200メートルの2冠を達成したタイソン・ゲイ(Tyson Gay)が、ジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)とアサファ・パウエル(Asafa Powell)からのプレッシャーにさらされる。ボルトは5月31日にニューヨーク(New York)で行われた競技会で9秒72を記録し、パウエルの持っていた100メートルの世界記録を塗り替えて驚きをもたらした。しかしボルトは「むしろ200メートルの方が好きだ。僕はこれまでこの競技に生涯を捧げてきた。本当に金メダルを獲りたいと思っているんだ。2種目に出場するかしないかは、コーチの決断次第になるだろう。これまで彼とは4年間一緒にいるけれど、良い決定しか下していない。もし彼が100メートルの出場取りやめを決めれば、それには十分な理由があるのだと確信が持てる」と語り、常に北京での主な焦点は200メートルであると語っている。
もうひとつ、観衆の目を引き付けるの競技は男子110メートルハードルだろう。中国では、アテネ五輪王者の劉翔(Liu Xiang、リュウショウ)が出場するが、その劉翔は12秒87を記録したキューバのデイロン・ロブレス(Dayron Robles)に自身の持つ世界記録を0.01秒更新され、いまだに苦悩している。ロブレスは「世界記録が破れた時、彼(劉翔)のことが気になった。北京では5人の選手に勝つ可能性がある。だが、劉が本命だ。彼が倒すべき選手だ」と語り、特に北京での地元開催は関係無しに劉翔がまだまだ影響力のある選手として考えられると予期している。
長距離ではエチオピア人選手が優位を占めるのは確実と見られる。特に、ケネニサ・ベケレ(Kenenisa Bekele)やティルネシュ・ディババ(Tirunesh Dibaba)はその中でも頂点に位置し、最高の状態にある。2008年3月に行われた第36回世界クロスカントリー・エディンバラ大会(36th IAAF World Cross Country Championships Edinburgh 2008)で6度目の優勝を飾ったベケレは、世界選手権では10000メートルで3連覇を達成し、アテネ五輪で男子10000メートルでも金メダル、5000メートルでは銀メダルを獲得し、この2種目で世界記録を持っている。
ベケレが2種目に出場するかは分からないが、10000メートルでは同国出身のハイレ・ゲブレセラシェ(Haile Gebrselassie)がライバルの1人となる。10000メートルで4度の世界選手権制覇、2度の金メダル獲得を果たしたゲブレセラシェは、男子マラソンの世界記録保持者ながらもぜんそくを患っており、大気汚染や暑さに懸念を抱いてマラソンへの参加を避けた。「北京でのマラソンは(走ら)ないです。私はあのような状況ではマラソンで戦えない。夏の32、3度の気温と湿気を想像してみてください。リスクを背負わないほうが賢明です。参加しないほうがいい」と語ったゲブレセラシェは、5月にヘンゲロ(Hengelo)で行われた競技会で出場した10000メートルで今季世界3位(当時2位)となる26分51秒20を記録している。ゲブレセラシェの大気汚染への懸念に同調し、オーストラリアの陸上競技チームは五輪の開会式を欠席する。
国連(United Nations、UN)を始めとする国際団体による定期評価で北京の大気の質は世界中でも最低とされている。北京当局は五輪期間中に100万台以上の車の使用を禁止している。(c)AFP/Luke Phillips
もちろん、人気選手や記録を破る実力者ら多くの有名選手が輝くための舞台は整ったが、それと同時にうだるような状態の気温や湿気になった時の大気汚染のレベルが懸念されている。
しかしながら、薬物の陽性反応による出場停止取り消しに失敗した2004年のアテネ五輪の男子100メートル王者ジャスティン・ガトリン(Justin Gatlin)は出場しない。五輪で5枚のメダルを獲得したマリオン・ジョーンズ(Marion Jones)が、運動能力向上薬の使用について捜査官に虚偽証言を行ったとして獲得したメダルを剥奪されるなど、ドーピングは今年(2008年)もまた陸上競技に醜い影を投げかけた。また、デニス・ミッチェル(Dennis Mitchell)、アントニオ・ペティグリュー(Antonio Pettigrew)、ジェローム・ヤング(Jerome Young)ら金メダルを獲得した米国の元リレーチームのメンバーが、ジャマイカ生まれのトレバー・グラハム(Trevor Graham)コーチの助言によりドーピングを行ったことを認めている。米国の指導者は北京にドーピングを送り込むことはないとし、米国五輪協会(United States Olympic Committee:USOC)のピーター・ユベロス(Peter Ueberroth)会長は「我々は不正に苦しんだ人々を見てきた。我々は、国際大会に汚れないチームを連れて行くという世評を築きたい」と語り、代表チームが運動能力向上薬を使用していないことを確かにするため追加の措置で相当数のドーピング検査を行ったとしている。
トラック上では、第11回世界陸上大阪大会(11th IAAF World Championships in Athletics Osaka)で男子100メートルと200メートルの2冠を達成したタイソン・ゲイ(Tyson Gay)が、ジャマイカのウサイン・ボルト(Usain Bolt)とアサファ・パウエル(Asafa Powell)からのプレッシャーにさらされる。ボルトは5月31日にニューヨーク(New York)で行われた競技会で9秒72を記録し、パウエルの持っていた100メートルの世界記録を塗り替えて驚きをもたらした。しかしボルトは「むしろ200メートルの方が好きだ。僕はこれまでこの競技に生涯を捧げてきた。本当に金メダルを獲りたいと思っているんだ。2種目に出場するかしないかは、コーチの決断次第になるだろう。これまで彼とは4年間一緒にいるけれど、良い決定しか下していない。もし彼が100メートルの出場取りやめを決めれば、それには十分な理由があるのだと確信が持てる」と語り、常に北京での主な焦点は200メートルであると語っている。
もうひとつ、観衆の目を引き付けるの競技は男子110メートルハードルだろう。中国では、アテネ五輪王者の劉翔(Liu Xiang、リュウショウ)が出場するが、その劉翔は12秒87を記録したキューバのデイロン・ロブレス(Dayron Robles)に自身の持つ世界記録を0.01秒更新され、いまだに苦悩している。ロブレスは「世界記録が破れた時、彼(劉翔)のことが気になった。北京では5人の選手に勝つ可能性がある。だが、劉が本命だ。彼が倒すべき選手だ」と語り、特に北京での地元開催は関係無しに劉翔がまだまだ影響力のある選手として考えられると予期している。
長距離ではエチオピア人選手が優位を占めるのは確実と見られる。特に、ケネニサ・ベケレ(Kenenisa Bekele)やティルネシュ・ディババ(Tirunesh Dibaba)はその中でも頂点に位置し、最高の状態にある。2008年3月に行われた第36回世界クロスカントリー・エディンバラ大会(36th IAAF World Cross Country Championships Edinburgh 2008)で6度目の優勝を飾ったベケレは、世界選手権では10000メートルで3連覇を達成し、アテネ五輪で男子10000メートルでも金メダル、5000メートルでは銀メダルを獲得し、この2種目で世界記録を持っている。
ベケレが2種目に出場するかは分からないが、10000メートルでは同国出身のハイレ・ゲブレセラシェ(Haile Gebrselassie)がライバルの1人となる。10000メートルで4度の世界選手権制覇、2度の金メダル獲得を果たしたゲブレセラシェは、男子マラソンの世界記録保持者ながらもぜんそくを患っており、大気汚染や暑さに懸念を抱いてマラソンへの参加を避けた。「北京でのマラソンは(走ら)ないです。私はあのような状況ではマラソンで戦えない。夏の32、3度の気温と湿気を想像してみてください。リスクを背負わないほうが賢明です。参加しないほうがいい」と語ったゲブレセラシェは、5月にヘンゲロ(Hengelo)で行われた競技会で出場した10000メートルで今季世界3位(当時2位)となる26分51秒20を記録している。ゲブレセラシェの大気汚染への懸念に同調し、オーストラリアの陸上競技チームは五輪の開会式を欠席する。
国連(United Nations、UN)を始めとする国際団体による定期評価で北京の大気の質は世界中でも最低とされている。北京当局は五輪期間中に100万台以上の車の使用を禁止している。(c)AFP/Luke Phillips