【7月28日 AFP】スイス・ジュネーブ(Geneva)で開かれている世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド、Doha Round)の閣僚会合について、欧州連合(EU)のピーター・マンデルソン(Peter Mandelson)委員(通商担当)は27日、ドーハ・ラウンドの成功にいたる道のりには「深い穴」がいくつもあるとして、合意の兆しは見えているものの厳しい状況だとの見解を示した。閣僚会合では、農業部門で依然として各国間に隔たりがある。

 閣僚会合では26日、サービス分野での市場開放に各国から前向きな姿勢が示され、27日の農産品や工業製品の分野に関する協議での歩み寄りが期待されていた。

 マンデルソン委員は、零細農業に頼る数百万人の農民を抱えるインドなどが、農産品輸入に関してより強力な保障措置を求めるとした決意に言及し、「成功までには、潜在的な落とし穴がいくつもある」と語った。また、同委員はインド側が、米国やオーストラリアなどの農業輸出国に対して「激しい」強硬路線で臨んでおり、EUは橋渡し的な役割を模索していると語った。

 一方のインドのカマル・ナート(Kamal Nath)商工相は26日、約5時間に及ぶ閣僚会合を終えた後、「合意に向けた交渉は、明日も引き続き行われる」と述べ、楽観的な見方を示した。インドの農産品は現在、関税によって輸入品から保護されているが、ナート商工相は、数百万に上るインドの農民や農業を保護することを強く主張している。

 WTOのパスカル・ラミー(Pascal Lamy)事務局長は、インドなどの途上国に対し、輸入農産品が40%以上に急増した場合に関税を現在の水準から最大15%まで引き上げて緊急制限をかけるセーフガード(SSM)を提案しているが、インドの外交官は26日、AFPに対し、40%という基準は高すぎると語った。(c)AFP/William French