【7月28日 AFP】イランで27日、麻薬取引や殺人、婦女暴行などの被告29人の絞首刑が執行された。今回の死刑執行は、ここ数年間で最大規模のものとなった。イラン政府は増加する犯罪への対策を進めているとしている。

 AFPの集計によると、今回の29人を含めイランでは今年に入って少なくとも155人の死刑が執行されている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、イランは2007年に317人の死刑を執行しており、中国についで死刑執行人数が世界第2位だとする報告書を発表している。

 27日に死刑が執行されたのは、婦女暴行や拷問による殺人、武装強盗などの累犯者だという。また、麻薬取引やアルコールの飲用、武器所持などで死刑判決を受けた者も含まれているという。

 イランの法律では、殺人や婦女暴行、武装強盗、麻薬取引、不倫などに死刑が適用される。

 人権団体などは、イランが死刑を過剰適用しているとして非難しているが、イラン政府は、死刑は十分な裁判過程を経た後に執行されているとした上で、効果的な犯罪抑止手段だと強調している。(c)AFP/Aresu Eqbali