【7月22日 AFP】カンボジア・タイの国境問題について、タイ側の交渉役を務める軍司令官は22日、両国の交渉がこう着状態にあることを認めたものの、外国の調停は不要との見解を示した。

 タイ側の交渉責任者であるBoonsrang Niumpradit司令官は21日、国境問題をめぐる両国の軍事対立に解決の糸口が見つからないまま、カンボジアのティア・バン(Tea Banh)国防相との会談を終えた。

 会談では、11世紀のヒンズー教寺院遺跡「プレアビヒア寺院(Preah Vihear Temple)」付近の領有権について、タイ、カンボジア双方が権利を放棄しなかった。

 Boonsrang司令官はタイのテレビに出演し、「両国が別の地図を使っていることが問題。カンボジアはフランスの地図を使用し、タイは米国が策定した地図を使用している。そのために、合意に達するのが困難だった」と述べた。

 現在、約500人のタイ軍部隊と1000人を優に超えるカンボジア軍部隊が、「プレアビヒア寺院」に続く坂道にある小さな仏塔の周辺に展開している。プレアビヒア寺院については、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領との判断を下していた。

 タイのBoonsrang司令官は、2国間の緊張が7月27日のカンボジア総選挙後に緩和するだろうとの見通しを示した。(c)AFP