【7月19日 AFP】北京五輪への出場を目指していた英国の短距離選手ドウェイン・チェンバース(Dwain Chambers)は、五輪への生涯出場禁止処分の一時的な差し止めを高等法院(High Court of Justice)から受けることが出来ず、五輪への出場が不可能となった。

 五輪に出場することを禁止する英国五輪協会(British Olympic AssociationBOA)の内部規則が覆ることを願い、控訴していたチェンバースは、2003年にテトラハイドロゲストリノン(TetrahydrogestrinoneTHG)の陽性反応が検出されたため2年間の出場停止処分を受け、BOAからのさらなる処罰が不当な取引制限であると異を唱えていた。

 裁定は内部規則が正当であったことを証明すると主張するBOAのコリン・モイニハン卿(Lord Colin Moynihan)は、「飛び抜けた才能を持つドウェイン・チェンバースが、自分自身の行動によって五輪で輝く事が出来なくなってしまったことを残念に思う。しかし、BOAには全ての五輪競技者から認識され理解されている規則がある。この内部規則は選手の要望と利益のために制定され16年になる。我々は今後も重大な薬物の不正使用違反で有罪判決を受けた者が、誰一人として五輪で英国チームのベストを着ることは許されないという力強く重要なメッセージを送り続けていきます」と高等法院の前で語った。

 チェンバースの働く権利は禁止処分の差し止め理由には不十分であるとしたマッカイ(Justice Mackay)高等法院判事は、チェンバースを支持する判決は、「英国チームの調和や管理に混乱を招く」ことを意味すると付け加えた。しかし、マッカイ高等法院判事は、「スポーツの内側と外側にいる多くの人々がこの内部規則を非合法的であると見ているだろう。原告が私に現状を覆させ、五輪代表入りを強制させようとする訴訟でなければ私の判断はより良いものになっていただろう」と語っている。

 国際五輪委員会(International Olympic CommitteeIOC)の広報を務めるジゼル・デービス(Giselle Davies)氏は、「この裁定を歓迎する。禁止薬物を使用した選手への断固とした措置を信じる」と語っている。また、英国陸上競技連盟(UK AthleticsUKA)は、「我々は常に内部規則を支持し続けるとともに、今回もそれが維持されたことを喜んでおります」と声明を発表した。

 法院を去る際にコメントを拒んだチェンバースには裁定に対して上訴を行う権利があるが、五輪の夢を救うためには時間との戦いとなる。遅くとも20日には英国の五輪代表チームが最終的に指名されると見られており、18日に高等法院が閉廷する前に何らかの審問が行われるとみられる。(c)AFP