【7月17日 IDO Securities】予想外の在庫増加を嫌気して急落したNY原油だが、テクニカル面からは130ドル水準までは調整の範囲内、120ドルを割り込むまでは年初からの上昇トレンドは崩れないと見ることが可能だ。CFTC建玉明細(7/8現在)によると、大口投機玉は、原油が7,066枚の買い越し。マーケット監督強化の動きもあり、3月のピーク(113,307枚の買い越し)から整理されている状況だ。それにも関わらず、高値圏を維持しているのはインデックスファンドの買い居座り継続が一因と考えられるが、こういった環境下、地政学リスクやハリケーン到来などの突発的な強気要因が入ると、短期筋を中心とする大口投機玉が、再参入しやすい地合となっている。

 ちなみに、2005年メキシコ湾岸を直撃したハリケーン・カトリーナ (Katrina) が、フロリダに上陸したのが、8月25日。毎年Aからアルファベット順に命名されるハリケーンの名前だが、現段階では、まだB「BERTHA(バーサ)」である。また、大西洋上に新たにトロピカル・サイクロンに発生しそうな状況であり、短期的には、それらの勢力・進路に注意したい。

 2日間で大幅な修正に入ったものの、第2四半期の不十分な在庫積み上げ、中間留分の供給タイト、ハリケーンリスク・地政学的リスクを背景に、依然として天井確認はできない状況だ。7月~9月にかけて、月足ベースでの陽線確率の高い時間帯は続く。

 要注意は、リスクマネー収縮に伴う下落。3月のベア・スターンズに絡んだパニック的な下げと比較すると、各マーケットと共に落ち着いた動きを見せているものの、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が保有の元本保証する住宅ローン関連の証券化商品は約5兆2000億ドル(約550兆円)にのぼると言われており、規模の大きさを考慮すると予断は許さない。NY原油も120ドルを割り込んでくると、テクニカル的な売り圧力が高まると想定される。高値圏での波乱相場は継続しそうだ。

(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(北浜流一郎・菊川弘之の朝一投資大学)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。

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