【7月17日 AFP】がん患者の生存率が最も高い国は米国で低い国はアルジェリアだとする研究結果が17日、英医学誌「ランセット・オンコロジー(Lancet Oncology)」(電子版)に発表された。

 研究は、31か国で1990年から94年の間に、初期の乳がん、前立腺がん、結腸・直腸がんと診断された190万人の生存率を調べたもの。

 これによると、乳がん、前立腺がんの5年後の生存率が最も高かったのは米国で、これにカナダ、オーストリアが続く。

 結腸・直腸がん患者の生存率トップは、女性ではフランス、男性では日本で、2位は男女とも米国だった。

 研究を主導したロンドン大学衛生熱帯医学大学院(London School of Hygiene and Tropical Medicine)のミシェル・コールマン(Michel Coleman)教授によると、ヨーロッパについては旧共産圏での生存率が「西側」諸国よりも低い傾向がみられたという。

 さらに、コールマン教授は、米国でも同様に白人と黒人の間に生存率の格差が生じていると指摘する。例えば、乳がんの生存率では白人の生存率は黒人よりも14%高いという。

 一方、米国内でがん患者の生存率が最も低い州はニューヨーク(New York)だった(女性の直腸がん患者を除く)。

 全3項目での生存率最下位はアルジェリアだった。(c)AFP