【7月16日 IDO Securities】昨日は、米金融機関に対する懸念等を背景にドルが主要通貨に対して下落。ドル円も104円台半ばまで下落した。ユーロドルは過去最高値を更新。NY時間にはバーナンキFRB議長が年2回の金融政策に関する議会証言で米景気下振れリスクが増大していると述べたことを受け、104円台前半まで下押した。
 バーナンキFRB議長の議会証言では、景気下振れリスク、インフレ上振れリスクのいずれも拡大していることを示した。FOMC声明(6/25)では景気下振れリスクが若干後退しているとの見方が示されたが、今回の議会証言で、エネルギー価格の上昇、クレジットのタイト化、住宅市場の弱さが景気見通しに「顕著な下振れリスクをもたらしている」との見方を示しており、早期利上げの可能性は後退している。FF金利先物とドル円との乖離は円高方向で埋められてきた。
 リスクマネー収縮の動きから、株安・ドル安・商品安となっているが、3月と比較すると、「金融システムに対する不安感」はパニック的な状況にはなっていない感。ただし、「米景気に対する不安感」は強まっており、緩やかに米国売りが進む格好か?
 日銀「展望レポート」では、2008年度の実質GDP成長率見通しが4月の「展望レポート」の+1.5%から+1.2%に下方修正された一方、08年度のコアCPI見通しは同+1.1%から+1.8%に上方修正。日銀が想定の潜在成長率は、+1.5%程度であることから、今回の下方修正は、今年度の日本の経済成長率が潜在成長率を下回り続けると見ていることを示しており、円も必ずしも強い訳ではない。日経平均株価も前場は、マイナスサイドで引けている。心理的節目12500円~3月安値が意識される流れは継続見通しだ。
 ボラティリティが上がっている原油の動向にも注目。本日はEIA週間在庫統計発表。昨晩は大きく下げた原油だが、事前予想よりも在庫減となれば、「原油反発→ドル安」となる可能性も。トロピカル・ストームの進路も気になるところ。
 本日はウェルス・ファーゴ、ノーザン・トラストの決算発表予定。英6月雇用統計、米6月CPI、6月鉱工業生産、6月FOMC議事要旨に注目。バーナンキFRB議長の議会証言は、基本的に昨日と同様となる可能性が高く、質疑応答セッションでの発言に注意したい。

(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(北浜流一郎・菊川弘之の朝一投資大学)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。

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