【7月15日 AFP】ユダヤ人権擁護団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(Simon Wiesenthal Center)」のイスラエル支局長、Efraim Zuroff氏は14日、ナチス・ドイツの強制収容所で虐殺に関与し「死の医師(Dr. Death)」の異名をとるアリベルト・ハイム(Aribert Heim)容疑者(94)が、アルゼンチン南部またはチリに潜伏しているようだと語った。

 1945年以来ナチス戦犯の追及を続け、「ナチ・ハンター(Nazi Hunter)」として知られる同氏は、アルゼンチン南西部のバリロチェ(Bariloche)で記者会見し、「彼が死んだという証拠はない。それどころか、この辺りに潜伏しているという情報を多数得ている」と話した。

 また、ハイム容疑者の捜索のカギは、チリのプエルトモント(Puerto Montt)に住んでいる容疑者の娘、Waltraud Diharceさんの居場所を突き止めることにあると語った。容疑者は、350キロ離れているプエルトモントとバリロチェ間を年に50回も往復しているという。

 元医師であるオーストリア人のハイム容疑者は、強制収容所で麻酔薬を用いずに収容者を手術したり、心臓に直接ガソリンを注射するなどの人体実験を行い、数百人を死に至らしめた罪で指名手配されている。(c)AFP