【7月10日 AFP】主要8か国(G8、米、英、仏、独、伊、カナダ、ロシア、日本)首脳が集結した北海道洞爺湖サミット(G8 Hokkaido Toyako Summit)は9日、福田康夫(Yasuo Fukuda)首相による議長総括を採択して閉幕した。以下は総括の骨子。

■ 地球温暖化問題

 世界全体の温室効果ガス排出量を、2050年までに半減する目標で合意。また、各国別に排出量削減の中期目標を実施する。

■ アフリカ問題

・感染症を中心に保健衛生対策の支援として、今後5年間で600億ドル(約640億円)を供与。マラリア対策として、2010年までに蚊帳1億張を提供。

・2005年の英グレンイーグルス(Gleneagles)サミットでの合意に基づき、2010年までにアフリカ向け援助を250億ドル(約2兆7000億円)まで倍増する。また、2010年後も支援を継続することを確認。

■ 食糧価格問題

・世界的な食糧価格高騰に「強い懸念」を表明。

・食料の安全保障の確保には、迅速な輸出規制の撤廃が必要。

・十分な食糧備蓄を有する国々に対し、食糧難の国々への提供を呼び掛け。

■ 原油価格高騰

・原油価格の急激な上昇を強く懸念。産油国に対し、生産量および精製能力の増強を求める。

■ 貿易

 国際貿易の障壁となる保護主義的な圧力に抵抗し、世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)ドーハラウンドの妥結に向けた「強い決意」を表明。

■ ジンバブエ問題

 ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領が強行した大統領選決選投票をめぐるジンバブエ当局の組織的暴力に対する憂慮を表明。問題の迅速かつ平和的な解決を要求。暴力行為の責任を有する個人に対しては、資金的その他の制裁措置も示唆。国連(UN)事務総長特使の任命を勧告。

■ イラン問題

 イラン政府に対し、国連安保理(UNSC)決議に基づくウラン濃縮関連活動の停止と、国際社会の解決努力への前向きな対応を求める。

■ 北朝鮮問題

 北朝鮮政府に対し、6か国協議の合意文書に基づき、核兵器の放棄と、申告された核計画の検証プロセスへの協力を求める。また、日本人の拉致問題での進展を要請。(c)AFP