【7月3日 AFP】2日のオンライン科学誌「PLoS ONE」に、ブロッコリーをたくさん食べる男性がなぜ前立腺がんにかかりにくいのかに焦点を当てた論文が掲載された。

 アブラナ科の野菜(ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツ、チンゲン菜、ケールなど)を多く摂ると前立腺がんや慢性疾患になるリスクが軽減されるという可能性は、これまでの研究で既に指摘されていた。

 今回、英国食品研究所は、世界で初めて、ブロッコリーが人体にどのように作用するのかの臨床試験を行った。

 実験では、前立腺がんが発症するリスクのある被験者たちに、通常の食事に加え、1週間あたりブロッコリー400グラムまたは豆400グラムを摂取する食生活を12か月間継続してもらった。

 研究チームは、実験開始時、6か月経過時、12か月経過時の計3回、被験者の前立腺組織を採取し、がん関連遺伝子の変化を追跡調査した。

 その結果、ブロッコリーを食べ続けたグループでは、豆を食べ続けたグループよりも、遺伝子発現の変化が大きいことがわかった。こうした変化は、発症リスクの減少に関係している可能性があるという。

 こうしたことから、チームは、アブラナ科の野菜を日常的に小量しか摂らない場合、遺伝子が発現する細胞核に情報を伝達する「細胞内情報伝達路」に変化が起こり、がん遺伝子が発現しやすくなるのではないかとみている。(c)AFP