【7月3日 AFP】フランスの裁判所は2日、フランスのボルドー(Bordeaux)地方で生産されるサンテミリオン(St. Emilion)ワインについて「グラン・クリュ(Grand Cru)」の格付け制度の使用停止を命じた。

「サンテミリオン・グラン・クリュ」の格付けは10年ごとに改訂されるシステムで、上からプルミエ・グラン・クリュ・クラッセA、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB、グラン・クリュ・クラッセの3等級に分類される。

 裁判所は、テイスティングを基に格付けを決定するというシステムが公平性を欠くと判断した。

 クラッセAには、これまでにオーゾンヌ(Ausone)、シュヴァル・ブラン(Cheval Blanc)の2つのシャトー以外が格付けされたことはない。クラッセBには、アンジェリュス(Angelus)、クロ・フルテ(Clos Fourtet)、トロロン・モンド(Troplong Mondot)などが名を連ねる。 

 グラン・クリュに格付けされたワインの価格は約30%高くなるとともに、シャトーの不動産価格にも影響する。

 サンテミリオン・ワイン組合の広報担当者は、今回の命令について「深刻だ」と語った。組合は、フランスワインの格付けを管理する原産地呼称国立研究所(INAO)の判断と、農務相が控訴するかどうかを、固唾をのんで見守っている。なお司法筋によると、控訴した場合のプロセスには約2年を要する可能性がある。

 ボルドーのシャトーの多くにとって「サンテミリオン・グラン・クリュ」の格付けは必須だ。ボルドーワインのあるバイヤーは、「この格付けを受けているシャトーは60以上もあるんだ、廃止なんてありえない。これからどうやってワインを売ればいいんだ」と嘆いた。(c)AFP